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特別対談①

今だからこそ知ってください 肺炎予防

肺炎予防の大切さが改めて注目されるなか、
由紀さんと専門医の先生に、その原因と対策をお話しいただきました。

左:迎 寛先生(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器内科学分野(第二内科)教授)
右:由紀さおりさん


65歳からの肺炎予防。「元気な今から」がキーワード。

由紀さん 肺炎予防は大事といろいろなところで耳にしますが、いつ頃から予防は必要なのでしょうか。
迎先生 肺炎はどの世代でもかかりますが、亡くなる人は65歳から増えます。そして肺炎で亡くなる日本人の約98%が65歳以上です。ですから65歳をひとつの目安としてください。

由紀さん 私の周りには注意はしていても、油断してしまう人も多いですね。

迎先 どんなに元気な人でも、からだの抵抗力は年々落ちてきます。65歳以上でも働く時代ですが、自分が思っている以上に病気にかかりやすくなっています。また肺炎による入院で足腰が衰えたり、糖尿病や心臓の持病が悪化しやすくなったり。認知症のリスクが2〜3倍も増えるという報告もあります。亡くなる日本人の約98%が65歳以上です。ですから65歳をひとつの目安としてください

由紀さん 肺炎が大きく健康を損なう原因になるのですね。

迎先生 そうです。高齢の方は、からだの働きを維持し、自分の力で日常生活を送れる健康寿命を延ばすことが大切ですが、日本人は現在、平均寿命に比べて健康寿命は約10年も短くなっています。つまり人生の終わりの10年ほどは病気と闘いながら生きなければならないということです。

由紀さん それは避けたいですね。そのためにも元気な今から肺炎予防ですね。



医療の進んだ今も、退治しにくい肺炎球菌。

由紀さん そもそも肺炎とはどういう病気でしょうか。

迎先 肺炎は主に細菌やウイルスが肺の中に入り込み、炎症を起こす病気です。症状は発熱、咳、たんなどで風邪とよく似ていますが、まったく違います。肺に炎症が起こると、ときに呼吸困難となり、重症化すると命が脅かされることもあります。現在(2020年)、新型コロナウイルスが流行していますが、これまでは肺炎の原因として、細菌である肺炎球菌が多かったことがわかっています1)

由紀さん 肺炎球菌は危険な細菌なのですか。

迎先生 肺炎球菌が血管内や髄膜に至ると重い症状になりやすく約1/3の人が亡くなったり、後遺症に苦しみます2)。肺炎球菌は周りが膜で覆われているため免疫で排除しにくく、しかも抗生物質が効きにくい場合もあります。またインフルエンザ感染をきっかけに肺炎球菌が肺に侵入しやすくなって起こる肺炎にも要注意です。インフルエンザの大流行は、古くはスペイン風邪と呼ばれる1918年、近年では2009年にあり、多くの方が亡くなられました。その原因としてインフルエンザにかかった後の細菌による肺炎があり、原因菌として最も多かったのが肺炎球菌であったといわれています。

由紀さん 昔も今も肺炎球菌は気をつけなければいけない細菌なのですね。


今こそ、しっかり毎日の感染予防。

由紀さん 具体的な予防方法を改めて教えてください。

迎先生 よく咳エチケットと呼ばれるマスクの着用は感染の拡散予防にも有効です。外出先から帰ったら、うがいをして手を洗う。手にはアルコール消毒液を利用するのも効果的です。そして歯磨きなどで口の中の清潔を保つこと。あと予防接種も大切ですね。

由紀さん 毎日の予防は若い頃から歌い手として声を守るためにずっと習慣としてきたことと同じです。

迎先 それは素晴らしい。健康を維持するためにも口腔ケアなどは特に大切ですので、次は歯医者さんでケアについて相談するとか、あと一歩踏み込んだ予防を実践してください。

由紀さん はい、健康を過信せずに、ますます頑張りたいと思います。

対談 令和元年12月 / 追加編集 令和2年7月

1) 日本呼吸器学会・成人肺炎診療ガイドライン2017 p10
2) 厚生労働科学研究費補助金、新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業「重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析、その診断、治療に関する研究」


肺炎予防のために、できることがあります。

お住まいの自治体の予防接種情報、助成について知りたい方はこちら。



監修

地方独立行政法人 長崎市立病院機構 副理事長/長崎みなとメディカルセンター 院長 門田淳一先生


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